家のカギ 短編集公演企画

家のカギガチャガチャ祭り vol.1

『明日世界が終わるとしたら』

 長い付き合いの友人3人が、空き地に集まってよしなしごとを語らう

 短編。「明日世界が終わるとしたら、何する?」というありがちな問

 いかけから物語は転がるように進んでいく。

 家のカギ史上初のユニット員のみで演じた演目。今短編集の表題作。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《わいわいパック》

『朝まであと5分』

 もし朝まで生テレビの前に放送されたスポーツ中継がすごく延長し

 て、朝まであと5分になっちゃったらどうする?

 

『スポットライト』

 4年ぶりに再会した5人の男女が抱える、人には言えない隠し事を、

 スポットライトが照らし出す。それはことごとく悪い方向に…。

 さっぱり見られるモノローグコメディ。

 

『なんでこんな話になったんだっけ』

 友達と楽しく話してると、なんでその話になったか忘れちゃう。

 そんな状況をコミカルに描きつつ、その現象が思わぬ結末にたどり着

 く。脱力系シュールコメディ。台本はなく、決められた流れで毎ステ

 ージエチュードで上演した。

 

『東京へつれてって』

 Mrs.fictionsさんの名作短編をお借りしての上演。

 東京へ行くことを決めたホームレスの山瀬と、同級生の小桜。

 小桜は「私も東京に連れて行ってほしい」と言い出すが…。

 

『邪念探偵』

 推理モノでお決まりの「探偵が推理に関わるセリフを回想するシー

 ン」。あれ?でも邪念だらけで回想が使い物にならない!どうやらこ

 の探偵、邪念探偵らしい。

 

『フラグ』

 家のカギ立ち上げ作品の再再再演。

 家のカギの原点にして鉄板のコメディを、4度目の上演にして、当分

 のやりおさめ。

 「タラレバ話をしてしまうとそれが現実になってしまう」という現象

 に翻弄されながらのドタバタシステムコメディ。

 

 

 

《じっくりパック》

『ちょっと待てよ』

 罪を犯した記憶はあるものの、収監された経緯を覚えていない5人の

 囚人による牢屋内での会話の様子を描いた短編作品。それぞれの独白

 を軸に自分たちは何に巻き込まれているのかを暴いていく。

 (コメディ)

 

『あの日のこと』

 先輩後輩って面倒くさい。

 いつものように部活の愚痴を親友のみのりに話す佳奈。

 いつものように静かに聞いていたみのりだったが、おもむろに自分の

 話を始める。

 放課後の女子高生が屋上で語らう、やさしい短編。

 

『生死の境目』

 とあるコンビニの店内で起きた殺人事件。現場に駆けつけた新田だっ

 たが、どうも様子がおかしい。死んだはずの被害者が突然起き上がっ

 たかと思ったら、「なんとしても死んだことにしておいてほしい」と

 言い始めた。

 そんな被害者と上司との間に板ばさみの新田を中心に繰り広げられる

 ワンシチュエーションコメディ。

 

『みのりあるひび』

 卒業式の前日、教室で駄弁る女子高生3人。

 過去、現在、未来について思いを馳せる少女たちが、過去に向き合い

 未来に歩んでいく様子を描いた作品。

 『あの日のこと』の後日譚であり、『明日世界が終わるとしたら』に

 て語られた哲学に対するアンサータイトル。

【作・演出】

高村颯志(家のカギ)

 

【出演】

高村颯志 五十嵐恵美 山田奈々緒(以上、家のカギ)

 

岩淵こむぎ 内田茉莉花(劇団24区) 遠藤清秀(劇団てあとろ50')

加藤明花 佐藤宏樹 田中花子(十六夜基地/空白ゲノム)

萩原涼太 原田彩希(劇団24区)

 

2019年10月30(水)〜11月3日(日)

@スタジオ空洞

 

主宰・高村コメント

 

そろそろ過去の短編作品をまとめた短編集をやりたい、という話はずっとあって、そうなったらあれもこれもやりたいって話になっていってしまって、じゃあ2バージョンやるかってことになって、じゃあ新作だってやろうよ、じゃあ既成台本やってみようよ、などなどあれよあれよとてんこ盛りになった結果、名前の通り「ガチャガチャ祭」になってしまいました。

 

バカみたいに笑って騒いでの作品も、心とか考えについて描いた人間のドラマみたいな作品も、やり続けたい気持ちがあって、今回はあえて、その2つを分けてしまおう、という試みでした。笑うなら思いっきり笑って、じっくり見たい人はとことんじっくりと、というニュアンスでバージョンを分けました。

 

出演者やスタッフの面々も、学生団体だったころから、学外に出てこの短編集に至るまでに出会った面白い人たち、馴染みの仲間たちを呼べるだけ呼んで、まさにお祭り、文化祭のような心地だったように、今考えると思います。

短編が11本も集まれば、本当に様々な試みや思い入れがあります。

ユニット員だけでの演目をオープニングにしたり、誰かを救いたくて書いたものがあったり、家のカギ立ち上げ作品を3度目の再演をしたり、僕自身が初めて書いた演劇作品があったり、大好きな既成台本をお借りしたり。

 

さすがにここまで作品数があるとひとつひとつについてここで語るのは難しいので控えますが

この公演を経て改めて、家のカギという団体と短編の相性、ジャンルの広さを改めて認識するきっかけにもなった公演でした。