SWANDIVE×家のカギ旗揚げ公演

家のカギ⑧

『ラスト・スクランブル』

 

ーー嘘みたいな話は大抵、ありえる

 

『あの館には、タイムマシンが眠っているらしい』

 

彼らが呼び集められた洋館は、町の人たちにそう言われていた。

肩書きや年齢、国などあらゆるものが異なる4人に届いた一通の手紙。

その導きに従ってたどり 着いた洋館には、小さな箱と置き手紙が。

 

「お渡しできるのはこの箱一つだけです。お集まりの皆さんで、これを手にできる方を選んでくだ さい。方法は皆さんにお任せします。」

 

バッチェッリファミリーのジェロニモ・バッチェッリ

人斬りムラサメ

呪術師のレイラ

新聞記者のナタリー

4人はそれぞれの理由で箱を求め争い始める。

 

 

【作・演出】

高村颯志(家のカギ)

【出演者】
金森悠介(家のカギ) 
伊藤鴎 山田泰生(劇団てあとろ50')

坂本みなみ 坪川涼 遠藤清秀(劇団てあとろ50')

浜田誠太郎(劇団24区) 田代陽太郎(創像工房infrontof.) 古川さら(創像工房infrontof.)

澤あやみ(早稲田大学演劇研究会) 内田茉莉花(劇団24区) 山田奈々緒(家のカギ)

五十嵐恵美(家のカギ) 田中美妃(創像工房infrontof.) 奥泉(早稲田大学演劇研究会)

小島恵理 井上貴彰

 

2018年2月9日(金)〜11日(日)

@早稲田大学学生会館B203

主宰・高村コメント

 

家のカギ②『それでは、また明日』に登場したバッチェッリファミリーというイタリアンマフィア、そしてそのボスであるドン・バッチェッリ。

彼がどうしてもお気に入りで、また彼を見たい。そこから構想を練りはじめた作品でした。そしてその気持ちがもう湧かないように、彼が死ぬ話にしよう、と決めていました。

 

時系列的に前作に相当する『それでは、また明日』は、描く世界をイタリアのマフィアに絞り、マフィアの生き様、価値観を描きました。

その中で一番夢のある生き様と価値観を持っていたのが、ドン・バッチェッリでした。

彼を起点として創作する今回の作品では、彼のその生き様に、三者三様の個性的な生き様をぶつけてみようと思い、

マフィア、呪術師、警察、人斬りなど一見共存し得ないキャラクターたちにそんな全てを超越しうる力を求めて争わせてみたわけです。

 

そして、様々なジャンルで作品を展開してきた家のカギにおいて、一番の反響と強度を誇った(と僕は思っている)作品が、『それでは、また明日』だったことから

また洋風エンタメをやりたいという気持ちもありました。

当時早稲田でそのような作品を上演している団体がいなかったこともあり、僕はこの方面に家のカギの未来を感じていました。

 

 

そしてこの作品のストーリー的な軸になったムラサメというキャラクターが、僕の次の柱になっていきました。

このキャラクターを中心に、今作品にはパイレーツオブカリビアンの要素をふんだんに取り入れましたが、ムラサメというキャラクターの出現は、僕にとって新しい希望になっていきました。

 

そして、家のカギ11『シグリム』を挟んで、家のカギ12『脱獄5』につながっていくわけです。