feblabo×大統領師匠×家のカギ 秋の超収穫祭 参加作品
家のカギ⑪
『うらみつらみ』
夜道で突然向けられた刃物、殺意。
「俺はアンタを殺す」
切っ先の向く先に櫻井は言い放つ。突然のことに増田は問いかける。
「どうして…!?」
語り始める櫻井。………まだ語る。……まだ語る……あの、あとどれくらいで終わります?あ、おまわりさんだ。あ、刺された。あ、元カノだ。あ、刺された。
……僕は…?
犯人って殺す前にすごく語るよね、というあるあるを不条理コメディの20分にギュっとまとめた作品。
feblabo×大統領師匠×家のカギ 合同公演「秋の超収穫祭」にて家のカギ⑪として上演。
【作】
高村颯志(家のカギ)
【演出】
もちもち
【出演】
五十嵐恵美 高村颯志(以上、家のカギ)
西渕隆 希枝 上牧晏奈(もちもち)
2018年10月1日(月)〜2日(火)
@新宿シアター・ミラクル
主宰・高村コメント
この公演から遡ること半年ほど。
家のカギ⑨『カフェで受験勉強なんてするから』で参加した、しもっかれ!bar公演企画、その時、抱き合わせになっていたのが主催団体のしもっかれ!さんと、たすいちさんでした。
そこがたすいちさんとの邂逅でもあるのですが、そのときたすいちさんのお客さんとして見に来ていたのが、feblaboでシアターミラクルの池田さん。たまたまそのとき男性キャストを探していたらしく、ご縁があり僕はfeblaboに出演させていただくことになったのですが
そのご縁でこの作品を上演することになったオムニバス企画にお声がけ頂いたのが、この公演の約1ヶ月前。
いや急!!!!
めちゃくちゃ急でした。前回公演『シグリム』の千秋楽に池田さんがいらっしゃったのですが、たしかその帰りに雑談程度に頂いたのが最初でした。
急ではありましたが、家のカギとしてはこういった企画にお声がけいただけることもまずない上に、ぜひ今後とも繋がりを絶やしたくないということも強くあったため、参加させていただくことになりました。
もちろん作品案も全くなかったのでそこから作り始めたわけですが
短めにまとめられる作品の方がありがたいということだったので、一個のネタで押し切る系のコントに手を出してみようということになりました。
前回公演『シグリム』で、刃物を主人公に向ける男が、これまでの積もり積もったうらみつらみを吐露する、というシーンがあったのですが、ふと、
「人を殺す前に語るシーンって、なんか長いよね」
という前回公演に対する自虐を含んだ思いつきがありまして、そこから
「語りが長すぎて全然殺さない殺人犯と、もういっそ殺して欲しくなっちゃう被害者」
という案が出てきたわけです。
登場人物は
どうしても語りが長くなってしまう殺人犯
なかなか殺されない被害者
とばっちりで刺される殺人犯の彼女
刺されても刺されても死なない婦警さん
通りがかるたびに刺されてしまうコンタクトのアイシティのティッシュ配り
でした。
もう、なんだろう。内容は説明できません。上に書かれたあらすじ以上でも以下でもありません。
意味不明だけどどうしても好きで消せなかったネタがあるので、その部分の脚本を貼り付けて終わろうと思います。犯人(櫻井拓海)がついに被害者(増田)を殺そうとしたところで、犯人(櫻井拓海)の元カノ(明美)が止めに出てくる、というシーンです。
櫻井 とにかく!俺はアンタを殺す。
増田 なんだよ急に!せめてなぜかだけ教えてくれ。
櫻井 うらみつらみだよ。
増田 うらみつらみ?
櫻井、増田に斬りかかる。
明美 拓海!
明美、下手入り。
櫻井 明美...!
増田 明美...?
明美 明美。拓海。いますぐやめて。
こんな感じです。
もともと、韻を踏もうと思って付けたタイトル『うらみつらみ』。その真骨頂のシーンですね。ト書きで分かりにくいですが、音だけで見ると
うらみつらみだよ。
うらみつらみ?
拓海!(呼びかけ)
明美…!(気付き)
明美…?(疑問)
明美。(応答)拓海。(呼びかけ)今すぐやめて。
となるわけです。分かりにくいのでぞれぞれのセリフの役割を書いておきました。
……以上です。